こさか歯科クリニック KOSAKA DENTAL CLINIC

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歯周病治療 - 伊丹市の歯医者はこさか歯科クリニック【野間】

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歯周病治療

昔の人々はお口のお手入れをどうしていたんでしょうね。江戸時代、日本人は房楊枝という道具で歯の表面を磨いていたようです。それではとても十分な清掃はできないですから、時代劇の俳優さんのようなきれいな歯ではなかったはずです。現代的な歯ブラシなどが無い時代、歯周病も虫歯も打つ手がない状態を思うと、きつかっただろうなと想像してしまいます。
みなさんは歯周病と聞いてどのようなことを思い浮かべますか?歯周病対策の歯磨きペーストやデンタルリンスなどで、歯周病という病名は聞いたことはあると思います。どのような病気か、治療の難しさ、予防の重要性などはなかなか理解されていないのが現状と思います。せっかくなので、ここでは歯周病についての詳しい解説をします。次いで治療や予防法、他の病気との関連についてもお話しします。

40歳以上の歯を失う原因の80%が歯周病

▲ 天然の歯の解剖図

歯とその周りの組織は図の様になっています。歯ぐき(歯肉)、骨(歯槽骨)、歯と骨を結んでいる線維(歯根膜)により、歯は支えられています。

この歯槽骨が溶けてしまうことを歯周病と言います。歯は支えが少なくなり、最終的には失われてしまうのです。

歯周病の進行について

▲ 歯周病の進行の図

歯周病治療の流れを説明する前に、歯周病がどう進行するか図を見て見ましょう。

治療ケース

歯周病初期~軽度
日々のお手入れが不十分なところにお口の中の細菌が集まります。細菌の集団はネバネバした分泌物を出して、バイオフィルムを作り増殖していきます。このバリアにより細菌は抗菌薬などから身を守っており、歯面に強力に付着しています。デンタルリンスはききません。これがだ液の成分と合わさってガチガチの歯石になります。
歯周病軽度~中等度
歯石が歯根の表面に沿って歯ぐきの奥にむかって広がっていきます。歯ぐきに隠れていると見えませんが、実際はこのような状態!骨が溶けていき、歯と歯ぐきの間には歯周ポケットという溝ができます。ザラザラの歯根には酸素を好まない嫌気性菌が集まっています。
歯周病中等度~重度
骨の破壊が進むと歯のぐらつきや歯ぐきの腫れ、出血が目立ってきます。歯ぐきが下がって歯が長くなったように見えることもあります。支えが少なくなった歯は噛み合わせの力などで傾いてきます。歯周病が進むことで歯並びがガタガタになったり、出っ歯やすきっ歯にもなります。

歯周病の原因

歯周病の最大の原因は、歯の表面についたプラーク(歯垢)です。プラークはただの食べかすとは違い細菌の塊であり、浴室など水周りのヌルヌル汚れのようなイメージです。それにより歯周組織が破壊されてしまう。プラーク以外にも、噛み合わせや歯ぎしり、全心疾患など原因は他にもありますが、それら単独では歯周病を発症することはなく、メインの原因はプラークとご理解ください。

歯磨きをしているのになぜ歯周病になるの?

歯周病の原因となる細菌は、健康なお口の中にも存在しています。その細菌の塊であるプラークの影響力は、一人ひとりで大きく異なります。なぜなら食生活や歯磨きの習慣、細菌に対する抵抗力は人それぞれだからです。歯周病は、糖尿病や高血圧と同じ生活習慣病とされています。生活習慣病とは普段の生活習慣により体の健康に歪みが生じて発症する疾患です。その多くはサイレントディジーズ(静かな病気)と言われ、深刻な症状が出ないまま病気が進みやすいのが特徴です。定期的に歯周病の検査を行うことは、とても意味があることなのです。残念ながら歯周病が進行している方には、歯石取り以外にも普段の生活習慣の見直しと改善が必要で、それは歯科医師と歯科衛生士が指導します。

全身疾患との関連について

歯周病と全身疾患の関係

歯周病と全身疾患の関係

実際はプラークがさほどついていないのに歯周病が進行しているケースも少なくありません。それについては様々な研究がなされており、喫煙と糖尿病が危険因子歯周病を助長していると考えられています。では逆に歯周病が糖尿病の悪化に関与することはあるのか?と想定してもおかしくありません。そこで互いの影響を調べる大規模な研究がアメリカで行われました。その結果、糖尿病、呼吸器疾患、冠動脈疾患、早産や低体重児出産、骨粗鬆症などが歯周病に影響を及ぼしているだけでなく、歯周病がこれらの全身の健康状態に大きな影響を与えていることが報告されました。つまり歯周病の治療や予防は、単にお口の健康のためだけではないのです。

歯周病と全身疾患の関係

歯周病と全身疾患の関係

歯石取り(SRP)

セルフケアには限界があります

ご自身でこういうバイオフィルムや歯石を除去するのは不可能です。歯科医師や歯科衛生士でも無理です。私は自分で歯石を取ろうとしたことが何度かありますが、きれいに取るとなるとやはり自分では無理でした。なぜなら歯根の形はとても複雑な形をしており、その形に合うような適切な器具を使う必要があるからです。

歯石の何が良くないか?

そもそも歯石の何が良くないかと言いますと、歯石自体が毒素を出すのではなく、歯石が付いたザラザラの歯根や深い歯周ポケットといった環境により、歯周病の原因菌が繁殖してしまうことが悪いことなのです。歯石は歯根に極めて強く付着しています。器具を正しい方向に当てて、歯根を傷つけないように歯石を除去することが重要です。

歯周病治療の流れ

●検査とブラッシングの指導

  • ▼プローブ(ポケットの深さを測定するため目盛りがついています。)
  • ▼歯周ポケットに挿入して深さを測ります

●検査とブラッシングの指導

歯周組織検査で歯周病の進行の度合いを測ります。どこに炎症があって歯を支える骨が溶けているかをチェックします。

歯周組織の状態を調べます。ご家庭でのブラッシングと歯科医院での歯石取りを組み合わせることで、歯周病の状態を良くしていきます。ブラッシングは人それぞれ個性があり、磨くのが苦手なところに炎症が起きやすいようです。まずはきちんとセルフケアできることが大事ですから、効果的な清掃ができるよう歯科衛生士がご指導いたします。

●歯石除去

  • ▼グレーシーキュレット(歯根の形に合うように作られています)

●歯石除去

見えている範囲の歯石除去を行います。超音波スケーラーという器具を使います。次に歯ぐきの炎症や清掃状態の変化をチェックし、歯ぐきに隠れている範囲の歯石を取ります。グレーシーキュレットという器具を使います。

●治療回数について

  • ▼歯根の分岐の問題

●治療回数について

歯石のついている部位とその量によって、歯石取りにかかる回数は変わってきます。歯周病の程度によっては一度に歯石を取り切ることが難しくなります。理由は歯ぐきの中の見えない範囲を掃除する処置であるということ、特に歯根の分岐や溝などは器具が入りにくいことが挙げられます。4mm以上の歯周ポケットがあると歯石を取り残してしまうという研究結果もあります。しかし、現在ある治療機器ではもう少し取れるとは考えられます。

骨が失われた部分がレントゲン写真で黒く写っています。プローブが深く入ります。歯ぐきの中の見えない部分を正確にお掃除するのは難しいです。

論文:4mm以上のポケットでは、歯科衛生士が1本の歯に40分程度時間をかけても歯石の取り残しがあるという研究。
“Stambaugh R,Dragoo M,Smith D,Galasali L,
The limits of subgingival scaling.Int JPriodont Rest Dent,1(5):30-41,1981”

●まとめ

このような理由で、中等度~重度の歯周病では一度歯石取りを行っても取り残しがあることが考えられます。歯周病治療のオプションの中には外科処置がありますが、これは徹底的に歯石を除去し、吸収してガタガタになった骨をなだらかにして歯周ポケットの再発がないような環境に整える効果があります。

歯のクリーニング

クリーニングでは細菌が作るバイオフィルムを破壊することが重要です。歯科衛生士が専用の器具で痛みなくバイオフィルムを除去します。虫歯や歯周病の原因はそれぞれ特徴のある細菌とバイオフィルムであることがわかっています。

  • ▼菌の様子。お口の汚れを拡大すると細菌がいっぱい。

バイオフィルムとは?

よくあるお家の水周りのヌルヌルです。歯の表面にも同じことが起こります。細菌たちはがっちりと手を組んで、自らを守るためにバリアを作るのです。このヌルヌル汚れは非常に頑固で、歯磨きで除去することができません。歯科医師または衛生士による清掃で除去できます。一度クリーニングして、再びお口の中にバイオフィルムができるまで3ヶ月程度かかります。定期的にクリーニングをすることで虫歯や歯周病を効率よく予防することができます。

虫歯の原因菌とは?

ミュータンス菌といい、歯の表面に強力にひっつく性質があるため、日頃のケアや歯科医院でのクリーニングが非常に有効です。

歯周病の原因菌とは?

A.a菌、P.G菌、P.I菌、スピロヘータなどです。これらの菌が歯と歯ぐきの隙間で繁殖すると歯ぐきに炎症が起こり、骨が破壊されるのです

メインテナンスの流れ

NO.1口の状態チェック

定期的にチェックすることで虫歯や歯周病などのトラブルも早期発見できます。
状況に応じて1~4ヶ月ごとにチェックをします。
例えば歯周病が進行しており腫れや痛みなどのリスクが高い場合は、メインテナンスの期間を短くしています。

NO.2担当衛生士の説明

前回との比較、セルフケアにおけるポイントについて詳しく説明させていただきます。

NO.3歯石や歯垢の除去

治療するところがなければクリーニングを行います。
歯科衛生士が専用の清掃器具でしっかりお掃除します。
個室にてリラクゼーションサロンのような雰囲気で施術します。お口の中も気分もさっぱり爽やかになるでしょう。

NO.4フッ素塗布

ピカピカになった歯面にフッ化物のペーストを塗布します。
フッ素の効果により歯の表面を強化し、虫歯になりにくくします。

痛みや腫れがあるときだけ、歯や詰め物が欠けたときだけ治療するという場合はこうはいきませんよね。麻酔して歯を削ったり、歯ぐきの外科処置をしたり…不快な思いをしてしまいます。それで歯科受診がさらに遠のいてしまうと、また不快な思いをすることになり正に負の連鎖となります。私たちは皆さまがもっと気軽にメインテナンスに来られるような医院づくりに取り組んでまいります。こうしたメインテナンスのときは、特に不快な処置はありません。定期的にプロフェッショナルなクリーニングをされているため、大きい虫歯になっていたり歯石がつきまくっているということはないからです。痛みなく、リラックスして気持ちよくなって帰っていただくというのが、当院のクリーニングです。

歯周外科

歯周外科処置の目的は次の3つです。

NO.1深い歯周ポケットを浅くする

歯石取りを行い歯周組織の改善をチェックした後、依然として深い歯周ポケットが残っている部分については歯周ポケットを浅くする目的で外科処置を行います。歯ぐきの中を直接目でみえる状態にして、取りにくい部分の歯石や炎症のある組織を除去します。吸収して形がガタガタになった骨をなだらかな形にします。治りが良いように歯ぐきを縫合します。歯周病が再発しにくい環境に変えることができます。

NO.2歯肉の環境の改善

歯肉の環境の改善というのは、いきなり言われてもピンと来ないと思います。こちらの写真をご覧ください。
インプラントで歯を作る前の状態です。術前は歯ぐきのすぐ近くに頬の粘膜があります。これではブラシが当たると痛むためしっかり清掃できない状態です。薄い歯肉はやせやすいという問題もあります。
術後は厚みのある歯ぐきに変わっています。インプラントの処置と同時にしっかりした歯肉(角化歯肉)を作りました。ブラシが当たっても痛くありませんので、しっかり清掃できるでしょう。

  • 術前
     
  • 術後
    ▼ 歯周外科で歯肉の環境の改善角化歯肉を増やした症例。

NO.3再生療法について

再生療法では、エムドゲイン法やGBR法といった技術を用いて吸収してしまった骨の再生を図ります。歯周病が極めて重度な場合は適応外ですので、やはりそうならないよう予防することが大事ですね。また、再生療法で使用する材料は保険適応外となります。
それぞれ大掛かりな処置ではありませんが、しっかり麻酔をしてお痛みがないように施術いたします。